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ものづくりが好きな塾講師のブログ

 

NIKKI(通常盤)

NIKKI(通常盤)

 

 NIKKIを聴きながら。

 

2月1日は東京のど真ん中の学校まで行って、坂の途中で彼女を待っていた。初対面のお母さんに「お若くてびっくりしました」と言われたり、インフルエンザの妹さんの件について聞いたりしたり。彼女はと言えば緊張でかちんこちん。握手をしても反応がなくて「反応が薄くてすみません」ってお母さんが頭を下げて学校へ入って行った。姿が見えなくなるまで見送った。カイロ代わりに買った温かいレモンの飲み物はすっかり冷めて、帰りの電車を待つホームで飲んだらクソ甘かった。

2月2日はバスと電車を乗り継いで駅へ降りた。社員の人と待ち合わせていたので喋りながら歩く。かつて住んでいた近所のそこは、当時の面影をあんまり残していなかった。話していると社員さんも住んでいたと言う。よくよく話してみると同じ頃に住んでいたようで奇妙な偶然。ところで、凄く寒い。前日と打って変わって凄く寒い。手袋を忘れたと嘆く社員さんがブラックの缶コーヒーを買う。出てきた缶のてっぺんには赤い半球のザクがくっついてて、間抜けな光景に見えた。笑いながら歩く。私は前日の反省から手袋を持ってきていた。正解だ。学校の前に着く。他校舎の社員がいて三人で待つ。寒い。30分くらい待ってやっと会えた。不安そうな顔。そりゃそうだ。前日の夜1時間近く泣いていた彼女を宥めて宥めて家に帰して、そして朝を迎えただけなのだから。あんまり声はかけなかった。

そのまま昨日は帰った。スーパーに寄って、家に帰ってから郵便局へ行き、洗濯物を回して干す。化粧を落として、ジャージに履き替えて、こたつに潜っていつの間にか眠りに落ちる。その後はどうしていたかあまり覚えていない。確かぼうっとテレビを見ていて、御飯を食べて塾へ出かけた。家に居たときはなんともなかったが、授業に入った途端、腹痛に襲われて、あまり元気に授業は出来なかった。お腹を壊してしまったみたいで、どう考えても原因は寒空の中ずっと突っ立って待っていたからで、徒歩の時間も含めれば一時間近く外に居たわけで…。授業の途中、社員さんに呼ばれて「明日朝どうする?体調悪いでしょう?俺もなんかしもやけみたくなってるんだけど」なんて言われて、そんなに体調悪い顔してたかなあと思った。22時にやっと一つ合格が出て、彼女と電話をして良かったねと声をかけ、明日どこを受けるか相談した。10分以上話していた私と彼女に痺れを切らせた社員さん達が「○○を受けさせるよう誘導しろ」的なことを言ってきたので誘導する。まあ私もその判断だろうなあと思っていたので。電話を切った後に他の講師と話す。前日に聞き出した彼女の本心を話すと「ネガティブすぎる」と絶句していた。

 

今日は3日目。お腹を壊した私は家で休んでいる。夜になったら塾へ行って連絡を待ちながら授業をする。なんだか今年の受験は悲しい受験だ。生徒達の色んな感情と努力と望みと隠された本心が絡み合って、上手にほどけないまま転がり込むようにして受験期に突入してしまった。

中学受験は一つの産業みたいなもので、大人の優雅な趣味のようにも思える。勿論○○部に入りたい!と言って本人が進んで受験したがるケースもあるけれど、それはそんなに多いケースじゃない。小学生にここの学校へ行きたいでしょう、と思い込ませて、作らせられた欲望で勉強をさせられている生徒も多い。私もその産業の中で稼がせてもらってる身だから、順応した行動を取るけれど、本当に中学受験させるべきなんだろうかと疑問を持つことは多い。むしろそればっかりだ。受験期に近付くにつれ、爪を噛み、手をぼろぼろにしてしまう子、熱を出してしまう子、皮膚が荒れてしまう子、本当に彼等彼女等をそうまでさせる必要があるのか。悪さに加担しているみたいで嫌な気分になる。