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ippuku

ものづくりが好きな塾講師のブログ

教育実習4日目。今日は体育祭だった。
天候は曇りで、肌寒い。日はささず、過ごしやすい日だった。
実習に来て初めて知ったのは、生徒がほとんどを仕切っているということ。なので非常に段取りが悪かった。それでも応援のダンスや台風の目の競技、小綱引きの競技…懐かしかった。
私はこうゆう行事が嫌いな生徒だった。でも体育祭を見て思い出した。三年生全員によるクラス対抗リレーを見て思い出した。全員参加で走る。決め手はバトンの受け渡しが上手くいくかどうかで、外で全員並んで練習したことを思い出す。私は当時、午前中の競技の騎馬戦はサボったくせに、クラス対抗リレーはサボりたくなくて出たのだった。決して足が速い方ではない。遅い方でもないけれど。何故か出たかったリレーだった。
今日、クラス対抗リレーを見て、応援する実習生の隣で、私はちっとも応援が出来なかった。声を出したら泣きそうだった。これは組みの色のバトルじゃないのだ。同じクラスになって1年以上経つクラスメイト達との信頼のバトルなのだ。バトンを落とさないように努める。例え落としてしまったクラスメイトがいても受け止める。自分の順番が迫るまでに順位の変わっていく様子をじっと見る。そしてドキドキする。自分の番が来る。クラスメイト全員がその時ばかりは私だけ注目してくれ、応援してくれる。その中を必死に走る。走り終えれば、次へ繋げた安堵と、しかし未だ終わらぬレースの行方に心臓のドキドキは収まらず、走るクラスメイトのあだ名を叫んで応援する。緊張の嵐なのだ。最後の体育祭で、一番の力の出しどころで、クラスメイトからの信頼が欲しくてたまらなくて一生懸命にならなきゃいけない、凄く大事な行事なのだ。どんなに足の遅いクラスメイトも受け止める。転んでしまっても全員で受け止める。責めてはいけない。包容力も試される。この行事の緊張が、思い出されて泣きたくなった。私は安易に応援をすることが出来なかった。クラスメイトから、噂が悪いから話しにくいとされて、孤立していた私が、クラスに受け入れて貰えるのかどうか試されていたように思う。小さな世界に生きる生徒の、その世界と同じサイズの悩み。生徒にとっては全世界に近いサイズの悩み。

元担任の先生から借りた日誌を読んでいた。二年生の途中から私の遅刻が途端に増えた。かつての小さな世界を思い出していた。受け入れてもらえない寂しさがあるのに、寂しいと言えない、言う相手もいない、家に帰れば寝たきりの母親しかおらず、小さな世界に閉じ込められていた高校二年生の自分がいた。

雨は酷くなって、土砂降りになった。土砂降りの中、バスに乗るのもなんとなく億劫で、20分歩いて帰った。

私はあれから、クラスに受け入れてもらえた。それはクラス替えから一年半も経った高校三年生の秋だった。何かに熱くなることに恐れていた私が、クラスで作る演劇に熱くなったからだ。あの時から私は解放された気分だった。そうゆう結末があると高二の頃に知っていたら、もっと自信を持っていられたのかな。遅刻もなかったのかな。

目まぐるしい高校の生活には驚かされる。あと実習は二週間。