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ippuku

ものづくりが好きな塾講師のブログ

教職のゼミの授業をとった。
15人しか枠がないので抽選になるのだが、運良く通ったと思い、大学へ出かけた。
雨だった。いつもは駅から歩くのだが、電車の遅延もありバスに乗ることにした。発車まであと少し。バス停まで走る。
バスに揺られて大学まで運ばれる。土砂降りの中、講義室へ向かう。一人しか座っていない。一旦トイレへ行って講義室へ戻っても一人しかいない。
授業が始まって発覚したのは彼女は科目履修生であり、卒業生だとのこと。学部生の受講生は私しかいないということだった。運が良い悪いも何もない。五人未満であれば講義は廃止になると言う。このまま廃止になってしまいそうだ。

授業の説明後、一人だけいたその彼女と歩きながら少し話す。二つ年下のようだ。どうして関西の大学へ行ったのかとか、初対面の人にならよく聞かれる質問を交わして別れる。教育実習関連の書類を提出しに事務室へ向かう。来月、入籍予定故、実習へ行く頃は姓が変わる旨を話すと、あちらはてんやわんやしていた。

やはり、この時期に入籍と言うのは手間を煩わすのであろうか。でもどの時期にしたってどこかしらの手間を煩わすことになるわけで、仕方がないと思いつつもスミマセンスミマセンと言っておいた。
ゼミの授業の際にも担当の先生へこの件について話した。「間の悪い時でスミマセン」先生は言う。「そんなことないですよ、大丈夫ですよ、いつだって間はいいんですよ」

土砂降りの中、歩く。空腹に耐えかねてお菓子を買って頬張るも昨日の記憶がよみがえり、ほとんど食べ残した。買い物を済ませ、駅のホームでぼうっとする。一ヶ月後には私の名前は変わっていて、二ヶ月後には甘い感情も苦い思いも恥ずかしさも全部残してきた高校へ行って、教育実習生として教壇に立つのだ。
不思議な気持ちだった。目まぐるしくも感じる。高校生の私には見えてなかった世界が今では見える。これから10年経ったらやっぱりもっと広い世界が見えるんだろう。多分。多分。きっと、多分。