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ものづくりが好きな塾講師のブログ

髪を切った。
30cmは切ったと思う。

ここに引っ越してからは家から徒歩1分の非常に近い美容院へ通っている。夫婦で営む小さな美容院なのだけれど、とても丁寧に切ってくれて好感が持てる。少々高いため、しょっちゅう切りに行くことはない。今回で3回目。でも毎日美容院の横を通る私のことを覚えてくれている。

今回も、切ってもらっている間に寝てしまった。
切っている間は本や雑誌を渡さない主義なのか、私はいつもぼうっとしている他なく、視点が定まらないままなんとなく鏡越しにダンナさんの手つきを観察する。耳元で響く小さなシャキシャキと言う音が眠りへと誘う。ダンナさんは精密に私の髪を切り続ける。一気にバッサリと切らずにすこおしずつ髪の毛を取って、シャキシャキと切る。すこおしずつ、すこおしずつ私の髪は短くなっていく。気の遠くなるような作業だ。しかし、気が遠くなってうとうとしてしまうのは私であり、ダンナさんの手は止まらない。ひたすらシャキシャキが続く。

気の遠くなるような作業であっても一時間と少しの時間をかけて私の髪の毛は床に散らばり終えた。ダンナさんは緊張したと言っていた。何故かと訊くと、あんなに長い髪からこの全く見えていないショートカットまでの一本道を見定めて真っ直ぐ進むのは大変なのだとのことだった。私はなんとなくその作業が一本の木から仏像を正確に掘り出す彫刻の姿と重なり、切削とそう変わらぬ作業に思えた。

果たして私の首から上は非常に軽くなり、実際先ほど乗った体重計の数値は軽く、驚いた。

概ね2年に1回バッサリと髪の毛を切るのだが、知り合いに会う時の視線が妙にくすぐったい。生徒から髪型を指摘されるのは話のネタになって嬉しいのだが、何故か指摘してくれるのはご年配の女性講師からばかりで少々鬱陶しく感じてしまった。

そして、同居人は帰ってきてから、丸い丸い丸い丸い…としか言ってこない。非常に嬉しそうに丸いと言ってくる。丸いからってそんなに楽しいものなのだろうか。